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「サプリメント(栄養補助食品)とは 前編」【獣医師 小林先生のコラム】vol.31

【獣医師 小林先生のコラム】vol.31

 

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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。

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https://www.monoca.jp/

「サプリメント(栄養補助食品)とは 前編」

 

最近サプリメントが話題になっていますね。サプリメントは栄養補助食品とも呼ばれ、人では国が定めた分類で細かく呼称が決められているものの、まだまだ曖昧な部分がたくさんあります(厚生労働省の健康食品やサプリメントの名称についての資料 https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/dl/pamph_healthfood_d.pdf

 

獣医分野では人間でいう栄養補助食品、健康食品に相当するものが主体で、特保や機能性食品と呼ばれるものはありません。

今回は人とペットにとってのサプリメントに対する考え方、本当に効くのか、どいういう種類がありどういう時に取り入れるものなのか、5月号と6月号でちょっと解説してみようと思います。

前半

【サプリメント(栄養補助食品)とは】

人間では「1日に必要な栄養素を食事だけでは補うことが難しい場合に、その栄養素を補助することを目的とした食品」が本来の栄養補助食品としての概念です。

ビタミンやミネラル、タンパク質(アミノ酸)、脂質などを、ドリンク剤や錠剤などで手軽に摂取して「栄養の補助」とすることができるというのがサプリメントの醍醐味です。

また、近年ではハーブや自然界の植物・生物に含まれるなんらかの成分がもたらす機能(効能)を期待して、それらをそのまま(天然)あるいは合成(抽出)した成分を含むものもサプリメントとして認識されています。

現代は飽食の時代であるため、日本国内で通常の生活をしていれば栄養失調となることはほぼありませんが、だからといって毎回バランスの取れた食事ができるわけでもありませんし、高齢になったり持病になると本来なら自分の体で作れるはずのホルモンが作れなくなって減ってしまったり、体を健康に保つための機能が低下してきたりします。

そんな日々の不安や心配を、なんとなく「安心」させてくれるのが本来のサプリメントの姿で、何か特定の問題を早期に改善したり高い効果を期待するのはちょっと違うのかもしれません。ましてや利用により害が生じることなどはあってはなりません。

なお、ペットは総合栄養食のドライフードなどをメインに与えている場合、人よりも日々バランスが取れている食餌をしていると思われます。

それでも動物も遺伝的な問題を抱えていたり、病気になったり高齢になった時には体の中の成分が不足したりペインコントロールが必要になったりすることもあります。そんな時にいきなりお薬を使うのはちょっとハードルが高いなという飼い主さんのために、気になる症状に応じて適切なサプリメントの利用を検討するのは良いと思います。

 

怪しいものには手を出さない

サプリメントと聞くと眉唾ものかなとか、怪しいなと思う方もいると思います。個人的にはその姿勢は常に持ち続けてほしいと思います。

やたら高いものを利用する必要はないので、あまりに高価なサプリはむしろ怪しんでください。

高い理由に納得がいくようなら利用するのは構いませんが、栄養補助食品というのは適量をコンスタントに続けていく必要があるので、無理なく続けられるものを選ぶほうが良いです。

また、知り合いから良かったからといって勧められても、自分のペットには合わないこともあります。ペットは自分で選ぶことはできないので、飼い主さんがきちんと考えて納得して続けられるものを選びましょう。

 

本当に効果があるかどうかの検証

昔から代表的なサプリとして「関節に効く」と信じられているグルコサミン(アミノ糖)や、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸(いずれもムコ多糖)などは、細胞間質に存在する「糖」です。

グルコサミンは単糖なので分子が小さくブドウ糖のように消化されずそのまま吸収されます。ブドウ糖と同じようなはたらきをするので血糖をあげることもありますが、上記3種の中では確実に動物でも体内に取り込まれる成分といえます。

ヒアルロン酸は胃酸や膵酵素などによる消化はされず、大腸の腸内細菌の餌となっており食物繊維に近い働き(つまり腸活に良い)をするようだということが近年わかってきています。大量に摂ると青汁を摂取するようなものなので便通が良くなる…というか下痢をすることもあります。

コンドロイチン硫酸は一定の分子構造ではなく5つほどの型があり全身の組織に分布しています。分子量が大きいのでそのままでの吸収はそもそも無理で、特に乳糖分解酵素がないまたは少ない人(牛乳で下痢をする人)では消化も吸収もされずに便とともに排泄されるようです。

これらのように体のある部位に存在する成分と同じものを摂取すれば、必ず同じように働いてくれるかどうかはかなり疑わしいものがあります。だからといって効果なしという証明も難しいです。

 

摂取方法により効果が得られないことも

実は、コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸について関節炎などへの効果を期待する場合、今のところは関節包内への注射でないと効果が認められていません。特にコンドロイチンは関節液内に存在しており軟骨の生成に重要な成分ですが、軟骨には血管が存在しません。

我々が食べ物を食べて消化吸収をする場合、そもそも論としてコンドロイチンは消化管から吸収されづらいと考えられますが、もし吸収できた場合は腸絨毛から血管の中に取り込まれます。

もうわかってしまったかもしれませんが、血液中にいくら有効な成分が存在しても、血管のない軟骨はその成分を利用できません。軟骨は関節包にある関節液からしか有効成分を取り込めないため、関節包に直接注射する方法でないと意味がないとわかります。

例え「吸収しやすいよう低分子化しました」となっていても、所詮は血液中に吸収されるだけなので、軟骨への作用に対しては効果が低いと言わざるを得ません。

サプリメントのCMなどは人の心にとても印象良く響くように作られており、プロのコピーライターさんがキャッチフレーズを考えていたりもします。

機能性食品や特保以外は効果効能を謳ってはいけないので、効果が想像できるような映像で訴えかけてきたりもします。

中には法律の目をくぐって、まず体験談として本などで効果を紹介し、その最後のページにお勧めのサプリメントの購入方法が載っている…なんてものもあります。

どうして効くのか?体内でどのように利用されるのか?について、聞こえが良いよなことしか記載されていない商品の公式サイトではなく、できるだけ科学的な文献を見たり、本来の生理学や生物学に立ち戻って考えたり、信頼できる医療機関のブログ(美容形成外科系などはNG)を参考にすることや、効果について否定的な意見も参考にしたうえで利用を検討するのが良いでしょう。

 

備考) 平成15年ごろからだと思いますが、国立研究開発法人の医療基盤・健康・栄養研究所というところが「健康食品の安全性・有効性(https://hfnet.nibiohn.go.jp/)」というサイトを運営してくれています。ここにはサプリメント等に利用される多くの食品について、臨床データなどを用いて検証した情報が掲載されているので興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

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