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「必須脂肪酸サプリの特徴」【獣医師 小林先生のコラム】vol.34

【獣医師 小林先生のコラム】vol.34

 

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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。

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https://www.monoca.jp/

「必須脂肪酸サプリの特徴」

さて、前回で必須脂肪酸それぞれの作用について説明しましたが、オメガ6系は良い作用がある半面、望ましくない作用も併せ持ちます。

かといってオメガ3だけを採ればよいというわけではなく、体内では相互のバランスが必要なため、サプリメントでもオメガ6系とオメガ3系の比率が重要とされています。

オメガ3とオメガ6の比率は研究ごとに1:2~1:30まで幅があるものの、できる限りオメガ3の比率を上げるほうがさまざまな症状の緩和には良いようだということがわかってきています。

そして必須脂肪酸がどんなものでどんなはたらきをするかを知ると、適応とされる疾患についても納得がいくと思います。

 

◆ 抗炎症作用

関節炎などの痛みの緩和、アトピー・アレルギー性皮膚炎の症状緩和、その他慢性炎症性疾患のケアなど

◆ 血管拡張作用

心臓疾患、腎臓病、高血圧(猫では甲状腺機能亢進症による高血圧にも)

◆ 血栓予防

心臓疾患(猫では後大静脈血栓塞栓症にも)、犬では甲状腺機能低下症など

◆ 免疫賦活作用

皮膚バリア機能アップ→アトピー・アレルギー性皮膚炎の症状緩和

◆ 脳や神経への作用

認知症、てんかん

 

【必須脂肪酸サプリの使い方】

 最後に、サプリメントの形状と使い方についての説明です。

 

飲むタイプ(アンチノール®プラス、モエギキャップ®など)

多くの方が飲むタイプを利用していると思います。

必須脂肪酸は酸化しやすいものが多く熱を加えることも望ましくないため、サプリメントとして利用する場合は、フレッシュなオイルをゼラチンカプセルなどで包んでいる製品がほとんどです。

アンチノール®プラスもモエギキャップ®も牛由来のゼラチンカプセルを使用しているため、牛アレルギーがある子にはカプセルをハサミなどで切りオイルを出して与えてください。

通常、初めて飲む場合は2倍量からスタート、2週間後に半分にして維持するというものが多いです。

関節炎などで痛みの症状がある場合以外は、最初から維持量でも構わないでしょう。

また、毎日でなくてもできるだけコンスタントに飲み続けること、良さそうだからと多量に飲むのはNGです。

必須脂肪酸サプリメントに限りませんが、犬用、猫用と区別されている製品は必ずそれぞれのものを利用してください。

猫用のものは犬に代用できることが多いですが、その逆は危険なこともあり、例えば犬用のものには猫の必須アミノ酸や必須脂肪酸が入っていなかったり、犬には安全でも猫では有害な成分が含まれていることがあります。

 

つけるタイプ(デルモセント®シリーズ)

つけるサプリって何?と思われるかもしれませんが、個人的には非常に好んで古くから利用している製品です。

アトピー・アレルギー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎などの症状の緩和のために使用する必須脂肪酸サプリです。

首の後ろの皮膚に滴下するタイプのノミ・マダニ薬と同じように、1か所に滴下することで全身の皮脂腺に拡がって浸透します。

皮脂腺から体内(血中)に入ることはないため、全身性の作用はないので皮膚疾患のみへの適応となります。

良いところは飲むよりも直接皮膚に作用すること、シニア期のワンちゃんなどで脂質が苦手な疾患を抱えている子にも安心して使用できることです。

もともと必須脂肪酸が主成分なので皮膚についた製剤を舐めても飲んでも全く問題ありませんが、さすがに滴下剤をそのまま飲むとちょっとお腹は緩くなります。

以前は滴下剤しかありませんでしたが、数年前にシャンプー、洗い流さないムース、スプレーなど、ラインナップも豊富になり、脂漏性皮膚炎、アトピーだけでなく、慢性膿皮症を繰り返すような子にも対応できるよういなりました。

この製品のコンセプトは皮膚で酸化した悪い脂を良い脂と入れ替え、皮膚のバリア機能を正常化し、必須脂肪酸のもつ抗炎症作用により脂漏やアトピーによる赤みや痒みを軽減するというものです。

そして膿皮症予防では、殺菌ではなく皮膚のpHを整えて皮膚の常在菌のバランス整えることが薬用シャンプーとの最大の違いです。

殺菌成分を含む薬用シャンプーは良い菌も悪い菌も殺してしまい、皮膚の正常細菌叢を壊してしまいます。

皮膚に棲む常在菌は皮膚を病原体から守ってくれている重要な菌群です。

もともと皮膚炎になる子は皮膚が弱いため、薬用シャンプーにより善玉菌が減ったところに健康な皮膚も荒れてしまい、赤みや痒みが悪化してしまう子もいます。

毎日でも洗えるやさしいシャンプー、洗えない子にはムースがあり、シャンプーとシャンプーの間の日にこそ皮脂腺に入り込む滴下剤の出番、そんなデルモセント®シリーズは、頻繁な薬浴などのケアが必要な皮膚疾患を抱える子にとても良いと思います。

 

【(おまけ)ドライフードに含まれる必須脂肪酸】

サプリメントではありませんがフードに利用される必須脂肪酸について最後に少し説明します。

低アレルゲン系フードや皮膚バリア機能強化のためのフードには必須脂肪酸が添加されているものが多いです。

これらは熱を加えられないので、ドライフードの製造工程の最後に吹き付けを行い、酸化防止剤としてローズマリーやビタミンEを添加し、袋内に窒素充填して真空にしたあと密閉されています。

近年では皮膚系フード以外のものにもできるだけ良質な脂を使うようになり、ますます表面吹き付けタイプが増えているかもしれません。

そんなフードの表面を見て「脂っぽい」という飼い主さんがたまにいらっしゃいます。あろうことか「熱湯で流した」という方まで。

でもきっと、今回のコラムでそれらの脂は「良い脂」であること、そしてその脂の必要性はわかってもらえたと思います。

使っているフードの袋に記載されている成分を見てEPAやDHAが入っていたら、フードの表面が脂っぽく見えても何ら問題ないということです。ましてや熱湯なんかで流してしまってはもったいない!と思ってください。

ただ、良い脂は酸化しやすいということも重要です。

酸化防止剤が入っていても封を切ってから長くても1カ月以内で消費できるサイズを購入すること、そして密閉して冷暗所での保管をしてください。

ワインをお飲みになる方で窒素ガスのスプレーをお持ちの方は、ワンちゃん、猫ちゃん用のドライフードにも代用できますのでぜひご活用を。

大袋で購入してしまった場合は予め真空パック機(フードシーラー)で小分けにするのもアリです。

酸化してしまった良い脂は、すご~く悪い脂になってしまうこともぜひ覚えておいてください。

 

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