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【シニア期の変化 シリーズ① 眼 後半】【獣医師 小林先生のコラム】vol.40

【獣医師 小林先生のコラム】vol.40

 

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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。

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今はペットも長寿の時代です。犬も猫も室内飼育になり交通事故や感染症で亡くなるケースは激減しました。ペットフードの質が向上したことや、飼い主さんの健康意識も高まって定期的な健康診断などにより、病気の早期発見ができるようになったことも寿命が延びた一因となっています。

 

ご長寿になると色々な病気も増えてきます。そこで、シニアのペットにありがちな変化と、それに対するお家でのケアなどをパーツ別にご紹介します。

9月はまず眼の変化について、前半では飼い主さんが見てわかるシニアペットの見た目の変化を、後半では見た目ではわかりづらい、シニア期に注意が必要な眼の病気をご紹介します。

 

【シニア期の変化 シリーズ①眼  後半】

犬のドライアイ(乾性角結膜炎)

見た目ではわかりにくい眼の変化

犬のドライアイは人のドライアイとは成り立ちが異なりますが、涙の分泌量が減って結膜や角膜の炎症、視覚障害などを起こす疾患です。

なりやすい犬種として眼が大きく出ているパグ、フレンチブルドッグ、シーズーなどが有名ですが、トイ・プードル、ウェステイー、キャバリアなど他にも好発犬種が知られています。

中年齢以降で起こりやすく、初期には眼をシバシバさせてまぶしそうにするなどの症状がみられることもありますがほとんど気づきません。また、代償性(ある問題に対してそれを補うようにおこる現象)に涙が増えることもありますが、その時点でドライアイを疑うことは難しいです。

進行して目やにが増えたり、白目が赤い、眼の表面が濁っている(角膜の輝きがない)、眼をこするなどの症状がみられて気づくことが多いですが、動物病院を受診した際、一般的な細菌性結膜炎と間違われることもあります。

抗生物質の点眼をすると一旦よくなったように見えるので余計に誤解されてしまいますが、単に点眼薬が分泌が減った涙の代わりになったために少し改善したようになるだけであり、止めるとまた目ヤニが増えるのが特徴です。

予防法はありませんが、マイボーム腺梗塞などがあると涙の分泌が減るのでホットパックによるケア、流涙症がある(涙が多い)場合は、矛盾を感じるかもしれませんが積極的な眼の保湿のための人口涙液の点眼を行うことがケアになります。ただ、人工涙液の点眼の効果を得るには瞬きの回数と同じくらい点眼することが必要と言われ、現実的には不可能に近いです。

進行した場合、ほとんどは遺伝的な免疫異常による涙腺炎が原因で生じているため、治療には専用の点眼が必要になります。

 

虹彩萎縮

眼には虹彩という、カメラのレンズの絞りの役割をする構造があり、眼の色の違いには虹彩の色が関わっています。

犬でも猫でもシニアになると虹彩が薄くなったり敗れたようになることがあります。黒目の部分なので一見わかりづらいですが、よく見ると異常がわかります。

虹彩萎縮が起きると、おそらく物を見るにあたりピントがずれたり、光に敏感になってしまうなどの症状があるかもしれませんが、動物では確認することができません。予防法や治療法はないものの、生活するうえで問題になることはほぼないため経過観察になります。

 

緑内障

緑内障は何らかの原因により眼圧が上がり網膜を圧迫するため、発症してから48時間以内に治療を行わないと眼が見えなくなる疾患です。

急に眼をこする、白目が赤いなどの症状に気づいて動物病院に来る人もいますが、最近なんとなくぶつかるなぁと思って様子をみていたら、受診した時には既に目が見えなくなっていた、とうこともあります。

眼をこすったりするのは眼圧の上昇による違和感や痛みからくる仕草です。通常は片方の眼に生じるため片方だけ眼が赤かったり、左右の眼の大きさの違いに気が付く方もいます。

緑内障の原因の中には、早期の手術を行えば視覚は失わずに済むものもありますが、正確な診断や手術は眼科専門医さんでないと難しいかもしれません。初期緑内障や手術が適応でない場合には点眼薬の治療(コントロール)を行います。

 

眼の腫瘍

なんとなく左右の眼の大きさが違う、眼球の位置がずれている気がするなど、一見緑内障とも似ている症状が眼や眼の奥の腫瘍である場合があります。

犬猫では、早いと思うかもしれませんが5歳をすぎると腫瘍性疾患について注意が必要とされています。

眼に限らずどのような腫瘍でも初期には診断がつきづらいこともあり、経過をみないとわからないものもありますが、眼の大きさに異常を感じたら必ず動物病院を受診してください。

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