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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。
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被毛のケアの基本はブラッシングです。特に長毛種はできるだけ1日1回以上やってあげましょう。ブラッシングを嫌がる子の場合には、毎日少しずつ別の部位をローテーションしながら短時間で済ませるようにするのもコツです。
ブラッシングにはコームやスリッカーと呼ばれるたくさんのピンがついたブラシを使う方が多いと思います。
まず根元をご自身の指でしっかりつかみ、スリッカーまたはコームで毛先をときます。毛先のからみがなくなったら、今度は根元をときます。根元は皮膚を傷つけずアンダーコードがしっかりとれる目の細かいコームがおすすめです。
スリッカーを使う場合にはピンの先に丸い球がついているタイプが良いでしょう。まれにプロでも皮膚を傷つけてしまい、トリミング後に膿皮症などの皮膚トラブルを起こしてしまうことがあるため、飼い主さんたちもよほど慣れている方以外はスリッカーの使用方法には十分注意してください。
また、動物病院では使い終わったコームやスリッカーを1頭ごとに消毒・滅菌しています。これらは感染症の予防に重要な作業です。ご自宅でも常に清潔な道具でケアができるよう心がけましょう。特にシニアの子は免疫力の低下により感染性の皮膚炎などを起こしやすいため注意が必要です。
短毛種の子の場合はブラッシングの習慣はあまりないかもしれませんが、古い角質などが毛の根元や表面にも残っていることもあります。これらの角質(フケ)やホコリなどを取り除くためには、濡らしたタオルを固くしぼり毛並みに逆らうよう尾側から頭側へ根元からふきとる方法がお勧めです。
猫ちゃんは水に濡れるのがストレスになる動物なので、特殊な猫種を除き基本的にシャンプーは推奨されていませんが、ワンちゃんは定期的にシャンプーを行っている方が多いと思います。
本来、皮膚炎などがなければ絶対にシャンプーしなければならないわけではないですが、トリミングが必要な犬種、飼い主さん的に臭いや汚れなどが気になるなどの理由でシャンプーしていると思います。
シニア期のワンちゃんで持病があったり、ハイシニアになってシャンプーが体力的に厳しくなってきたら、洗い流さなくて良いタイプのムースなどを利用したり、被毛を短くして洗いやすくする、部分洗いをするなどの工夫をして身体に負担が少ない方法にすることをお勧めします。
トリミングが必要な犬種の場合も、若い頃のように容姿を重視した可愛いカットではなく、できるだけ全体的に短くしてもらったり、シャンプーとカットの日を別々にしてもらったりなど、ワンちゃんの負担にならないよう配慮してあげることも必要です。
なお、部分洗いの場合にはすすぎが不十分になりがちですので、シャンプーをつけた部位より広めにすすぎを行ってあげてください。
乾かしは十分に行い、指のマタ、足の裏、眼と鼻の間、耳の先端など、乾きにくい部分もしっかり残さず乾かしてあげましょう。冬は風邪をひかないよう素早く乾かしてあげる必要がありますが、熱すぎたり近すぎるドライヤーは皮膚炎や火傷の原因になるので注意しましょう。
トリマーさんにやってもらったほうが短時間で済む場合は、ワンちゃんへの負担を減らすためにもプロにお願いしたほうが良いでしょう。
なお、皮膚炎などで治療中の子はご自宅では洗わないほうが良いこともあるので、かかりつけ医に相談してください。
歯が悪くなったり減ってきて食べこぼしをしたり、慢性的にお腹がゆるかったり、尿のキレが悪いなど、シニアの子はなにかと被毛が汚れがちです。
シニア猫では口内炎による流涎(よだれ)のせいで、毛づくろいをすればするほど自分の被毛が汚れてしまう子もいます。
汚れた部位は乾いてしまう前に洗うほうが汚れが取れやすいですが、被毛が長いと洗うのも乾かすのも大変です。
犬の場合にはできるだけ汚れやすい部分の毛は短くカットしてもらいましょう。お尻周りやお腹周りの毛、あとは口の周りの毛などを部分的に短くするだけでも、汚れがつきくくなりますし、洗ったり乾かしたり、日々のケアも楽にできるようになります。
例えばトイプードルは、ここ十数年テディベアカットが主流になっていますが口周りの毛が汚れやすく不衛生になりがちです。
シニアになったらテディベアをやめて顔バリを入れてあげると、お口周りがスッキリするだけでなく、かえって新鮮に感じてとても可愛いなと感じてもらえるのでは、と思っています。
顔バリはプードルの昔のスタンダードカットや、最近ではアルパカや子羊カットなどで見られる鼻先から眼の横あたりまでバリカンでスッキリ刈るカットのことです。
猫は水にぬれることを嫌がるので、食器洗いスポンジなどを2~3cm角に切ったものを用意し、洗面器などにお湯を張ってスポンジにお湯をつけては汚れた部分を濡らし、というのを繰り返して部分的に洗う方法がお勧めです。もちろんワンちゃんの部分洗いにも利用でき、特に短頭種の顔ヒダ、目ヤニ、足の裏などを洗ったりするのにとても便利です。
皮膚の一部である肉球は、室内飼いでも年齢とともにみずみずしさがなくなり、カサカサになってくる子が多いです。中にはひび割れて出血してしまう子もいます。
真夏はアスファルトでの火傷防止にワセリンや専用バームを塗ってお散歩にいく飼い主さんもいると思いますが、冬は乾燥によるひび割れが生じやすいです。シニア期になって肉球がカサカサしていたら季節を問わず常にケアをしてあげましょう。
ワセリンやバームを塗るとすぐに舐めてしまう子もいるので、舐めても安心なタイプのものを利用するのは鉄則ですが、効果を持続させるためには塗ってすぐは舐めないようにしてもらう必要があります。
塗ってしばらくはエリザベスカラーなどを利用してガードするか、遊びに誘ったり食餌の前など別のことに気が向くような時に塗ってあげるのが良いようです。
余談ですが猫は皮膚や被毛に何か塗ると必ず舐める習性があるので、苦手なお薬をクリーム状にして、敢えて腕などに塗って飲ませる(舐めさせる)方法もあったりします(笑)。
シニアペットに対する基本の考え方は「労り」だと思っています。若い頃は飼い主さん都合の生活パターンだったとしても、シニア期になったらペットの体調や持病などに合わせる必要がでてきます。
皮膚や被毛についても、人にとっての容姿の良さではなく、本人の快適さを優先してあげてください。