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【普段からしてあげたい お家でできるペットのケア ブラッシング編 前半】【獣医師 小林先生のコラム】vol.51

【獣医師 小林先生のコラム】vol.51

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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。

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https://www.monoca.jp/

ペットの爪切りやブラッシングなど、普段からお家でケアをしている方も多いと思います。失敗してトラウマにしてしまいお家ではできなくなってしまった…という経験をした方もいらっしゃるかもしれません。

春が近づいてくると換毛期になり抜け毛も多くなります。古い抜け毛が残ったままになっていると皮膚トラブルを起こしたり、自分で毛づくろいをする猫は被毛を舐めとり飲み込んでしまい、胃の中で固まって毛球症になることも。

前回の爪切りとは違って、ブラッシングは多くの方がご自宅で実践していると思いますが、今回はブラッシングの目的や使う道具と注意点、正しいブラッシングの方法などについての特集です。

いまちどセルフチェックしていただければと思います。

 

【普段からしてあげたい お家でできるペットのケア ブラッシング編 前半】

 

◆ 被毛の種類

ご存知のようにワンちゃんも猫ちゃんも、毛をよくみると毛質の違う2種類の被毛が生えているのがわかると思います。太くて比較的長い毛を上毛(トップコート、オーバーコート)と呼び、細くて柔らかい毛を下毛(アンダーコート)と呼びます。

このような2種類の被毛を持つものをダブルコートといい、柴犬などの日本犬や日本猫たちはダブルコートです。また、人気犬種の中ではロングコートチワワ、ロングコートダックス、シェルティー、ゴールデン、ポメラニアン、シュナウザー、コーギーなど、猫ではラグドール、アメショー、ノルウェイジャンがダブルコートです。

柴犬はダブルコート

ダブルコートの子たちは冬になるとアンダーコートが増え寒さから体を守ります。外気温が暖かくなると大量のアンダーコートが抜けますが、その古い毛をしっかり取り除かないと、毛玉になったり皮膚炎になったり、猫では毛球症の原因になってしまいます。

いっぽう、太い上毛しかないシングルコートの種もいます。ビーグル、パグ、スムースチワワ、スムースダックス、マルチーズ、プードルなどと、猫ではメインクーン、シャムなどがシングルコートの代表格です。

シングルコートの子たちは常に被毛が生え変わり抜け毛が多いですが、プードルのように被毛がカールしていると抜けた毛が体から落ちにくいため、シングルコートでもブラッシングで被毛を取り除かないと毛玉や皮膚炎の原因になることがあります。

◆ ブラッシングの目的

前述したように、古いアンダーコートを取り除き、毛玉や皮膚炎、猫では毛球症の予防がブラッシングの目的です。

一部の改良された犬種、猫種では、ブラッシング、毛刈り、定期的なシャンプーなど、人間が手をかけてあげないと健康な皮膚を維持できない子もいます。

また、近年では完全室内飼育や冷暖房完備などによりダブルコートの子たちの換毛期がわかりづらく、毛の生え変わりがうまくいかないケースもみかけます。

冬が終わり春になってアンダーコートが抜けようかという時期に、夏のような暑い日がきて冷房を使ったり、そのまま夏に突入して冷房の中にいたりすると、身体の温度調節機能が迷走してしまい、アンダーコートが抜けずにずっと生えていることがあります。

抜けるか抜けないか「どっちつかず」の被毛はブラッシングすると簡単に抜けることがあり、本来抜けるべき毛だったことがわかります。

さらにシニアの子では皮膚や被毛の新陳代謝も下がるため、ブラッシングをすることで新た強い発毛を促したり、血行が良くなったりマッサージ効果も期待できます。

いっぽう、飼い主さんにとってのブラッシングの目的はお掃除対策でしょう。抜け毛が多い犬種や猫種の場合は、ブラッシングをすることで毎日のお掃除を少しでも楽にできると良いですね。

 

◆ ブラッシングに使う道具

ブラッシングの道具として最もポピュラーなものはスリッカー、コーム、ピンブラシなどです。スリッカーは「くの字型」の針金のようなピンが四角い台上に密に並んでいるもので、ピン先に白い球がついているタイプもあります。ピンブラシはスリッカーに比べると太いピンで柄がついた人用のブラシの形をしているものが多いです。

 

◆ 道具の選び方と注意点

まず、長毛種か短毛種で使う道具を選びましょう。長毛種の子はスリッカー、コーム、ピンブラシの3種、短毛種の子はスリッカー、コームを利用します。

スリッカーは慣れないうちはできるだけピン先に白い球のついたものを利用しましょう。ピン先がそのままのタイプは力加減によっては皮膚を傷つけ、膿皮症など皮膚炎の原因になることがあります。

全ての道具は例え毎回我が子に使うとしても、使用後に必ず消毒をしましょう。動物病院では材質の違いにより消毒、殺菌、滅菌のいずれかを必ず行います。

もし既に皮膚の感染症がある子に使った道具を別の子に使って伝播させてしまったら大問題です。これは家庭内でも起こりますし、消毒せずに利用し続けることで感染の繰り返しになることもあります。

ご家庭での消毒方法としては、熱湯消毒、ミルトンなどの浸漬タイプ、天日干しなどが利用できます。金属製のものは腐食に注意する必要がありますが、基本的に道具は消耗品で劣化すれば新しいものに買い替えます。

ネイルを趣味としていたり、コロナ禍などで紫外線の殺菌灯を持っている方もいるかもしれません。殺菌灯がある場合にはぜひ利用してください。

 

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