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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。
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涼しくなってくると食欲の秋が始まります。動物も夏は食欲がやや低下し、秋から冬に向けて食欲が増す傾向があるようです。
昨今は季節構わずさまざまな食材が通年出回っていますが、今回は秋・冬に旬を迎える果物と野菜について、ペットに与えてOKかNGかについてご紹介いたします。
今回は果物編、次回は野菜編です。
主に得られる効果としては食物繊維によるものが最も大きいですが、にんじんにはβカロテンが多く含まれ犬なら利用できます。
生で与える場合にはステイック状にしてしっかり持ってかじらせると歯磨き効果も得られます。その際は誤嚥防止のため絶対にスティックを手放さないようにしましょう。
犬猫に与えてはいけない野菜の代表としてもう誰しもがご存知のネギ類ですが、あまりにも当たり前すぎて注意喚起する機会が減り、犬や猫を初めて飼う方の中には知らないと言う方もチラホラいたため掲載します。
ネギ類には赤血球を破壊してしまう成分が含まれており重度の溶血性貧血を起こします。この成分は加熱してもなくならないため煮込んだスープも含めてNGです。
実は人間も一人で5~10個など大量に食べると動物と同じようなタマネギ中毒を起こすと言われています。人も動物も許容量には個体差がありますが、動物ではその許容量が人よりも狭いとされています。
多少食べても大丈夫な子もいますが、少量でも重篤な症状が出る子もいるので、原則として与えるのはNGです。
ちなみにオーガニック系のフードには活力効果などのためにニンニクが含まれているものがあります。加熱しているし少量だから大丈夫と記載されていたりしますが、前述した「個体差」により反応には差があります。少量でも貧血を起こす子がいますので注意してください。
だいこんはほとんどが水分ですが食物繊維のほか消化酵素も含んでいます。代表的な消化酵素はアミラーゼ(ジアスターゼ)で炭水化物を分解し、プロテアーゼ、リパーゼなどタンパク質を分解したり脂肪を分解する酵素も含んでいます。
人では唾液と膵液に含まれていますが犬や猫の唾液には含まれていません。
酵素は細胞を壊せば壊すほど染み出てきますが高温では活性を失ってしまうため、酵素の効果を得るには生のすりおろしが最も良いことになります。
ただしだいこんには辛味成分も含まれているので犬や猫は好みませんし、空腹時に摂取すると胃がびっくりしたり胃粘膜に刺激が強すぎることもあります。
したがって、大根はスティック状などにして下茹でしたものを与えるか、酵素の効果を得つつ刺激を避けたい場合にはフードや他の食材とだいこんおろしを10分以上混ぜて放置してからにするほうが良いでしょう。
秋の味覚として好む人も多いギンナン(銀杏)ですが、実は神経毒となる中毒物質が含まれておりビタミンB6の作用を阻害することが原因です。
中毒症状は嘔吐・下痢など比較的軽いものから呼吸困難やけいれん、てんかんなど。重度では死亡する例もあります。
個体差がありますが人では子供なら1日あたり1~5個、大人もせいぜい10個くらいまでが安心とされています(大人は最大40個くらいまでイケるようですが…)。
犬や猫では安全な量がわかっていないため1個でも与えないほうが良いでしょう。
なお、ご存知のようにギンナンの種皮の部分(オレンジ色の柔らかい部分)には接触性皮膚炎(かぶれ)の原因となる物質も含まれており、お散歩で犬が踏んだり誤食したりすると危険です。これからの季節、ギンナンが落ちているところを歩くのは控えましょう。
白菜は水分と食物繊維が多く与えても全く問題ない野菜です。下茹でしたものはもちろん、生の芯の部分をスティック状にしてかじらせて、肥満傾向の子のオヤツにしたりすることもできます。
ただし尿石症の持病を抱えており療法食を食べている子の場合には、ミネラルバランスが崩れるため白菜に限らず療法食と水以外のものは控えるよう指導されることが多いです。
◆かぼちゃ・さつまいも・ジャガイモはOK!
かぼちゃやイモ類は茹でたり蒸かしたりしてオヤツとして人気の食材です。ただしどちらも糖度が高め。さらに犬猫では消化が苦手な炭水化物に分類される食材なので、肥る原因になりやすいため与えすぎには注意しましょう。
キノコは食物繊維が豊富で腸活に良いとされ、菌活として注目をあびている食材です。
食物繊維は老廃物の排泄を助けたり腸内細菌の餌となって腸内環境を整えますが、キノコに豊富なβグルカンという食物繊維は免疫賦活作用があるとして古くから人気です。
βグルカンは植物や細菌の細胞壁を作っている主成分で、植物(大麦、オーツ麦、海藻)や菌類(キノコ、酵母)、細菌などに含まれています。
昔からアガリスク茸やタモギダケなどキノコのβグルカンは高価なサプリメントとしてさまざまな病気を抱えた人や動物のために売られてきました。
βグルカンと一言で言っても大麦とキノコでは構造の違いから作用も多少違うとされてはいるのですが、そもそも食物繊維(可溶性繊維)の仲間ですので免疫賦活作用のおおもとは腸内細菌の活性化にあります。
ここで詳細は避けますが、腸粘膜には病原体やアレルゲン物質の体内への侵入を防いだりするパイエル板という免疫の要というか砦となる器官があり、腸内細菌はパイエル板にいる免疫細胞を活性化させることが知られています。
人や動物の免疫は腸で85%を担っていると言われるのはその所以です。
確かに高級なサプリのほうが効き目が良いかも…と思うかもしれませんが、椎茸、エノキ、特に舞茸はβグルカンが豊富なことが知られており、普通に手に入る食材から無理なくコンスタントに摂取できるほうが良いと思います。
できるだけβグルカンを含む食物繊維を逃がさないためには、先に茹でてからできるだけ細かく切って与えるようにしましょう(生はNG!)。
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