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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。
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さて、いよいよブラッシングの実践です。
まず最初にコームを使います。ブラッシングの仕上げに絡みがないかの確認に使う方が多いようですが、トリマーさんたちはトリミングの最初に、体幹の根元に残ったアンダーコートを取り除くために用います。コームは皮膚を傷つけにくく、スリッカーに慣れていない人はコーム1本でのブラッシングもお勧めです。
できるだけ首から尾、首から胸、背から腹など、被毛の流れに沿って使います。まず首の後ろのあたりのオーバーコートを片方の手で軽く一掴み分持ち上げ、根元にしっかり櫛の目を入れ、そのままコームを手前にひいて被毛をとくのと同時に、つかんだ被毛を少しずつ開放します。
それを繰り返してつかんだ分が全てなくなったら隣の別の部位を同様につかんでコームで根元をほどき、それを首、肩、背、腰、腹、尾の順に勧めていきます。
途中に毛玉がある場合にはスリッカーに持ち替えます。スリッカーは最もポピュラーで、恐らくもっとも正しい使い方がされていない道具だと思います。長毛種、短毛種どちらにも利用できますが、表面を撫でるようにして使っている方がほとんどです。
コームはアンダーコートを取り除く道具、スリッカーは毛の絡みをほぐす道具です。毛の絡みをほぐすためには表面をさらさら撫でていても道具としての力は発揮しません。
また、スリッカーのピン先は絶対に皮膚には接触させないようにします。スリッカーの使い方を紹介しているサイトで、自分の腕などに当ててみて力加減を調節するように書かれているものもありますが、ぜひ試してみてください。どんなに優しくやっても肌にピンのひっかき跡がつくはずです。
その小さな傷から細菌が感染して膿皮症などの原因になります。したがって、ピン先は絶対に皮膚には触れないように使うか、自信がない方はピン先に丸い球がついているタイプを使ってください。
また、毛玉や毛の絡みをスリッカーでいきなりとくのは厳禁です。被毛がひきつれてトラウマになり、特に猫では激怒してブラッシングを二度とやらせてくれなくなることも多いです。
まずは絡んだ毛の根元を片方の手でしっかりつかみます。つかんだ状態で毛先から少しずつスリッカーでときほぐしていきます。根気よく毛先から根元へとときすすめていき、根元まできたらコームで仕上げをしましょう。
つかんだ手を緩めてしまうと被毛が引っ張られて痛みを感じてしまうので、スリッカーでといている間、根元はしっかり、ギュっと握っておいてください。
もしひどい毛玉にまでなってしまっている場合には手で少しほどくか、後述するような方法でハサミで切ってしまいましょう。
コームとスリッカーを交互に使って全ての部位の絡みがとれたら、長毛種の子はピンブラシで、短毛種の子はコームで全体的に櫛が通るか確認します。
ひっつれる部分があったら無理に続行しようとせず、スリッカーなどに持ち替えて絡みをとってください。
ブラッシングをしやすくしたり、被毛が絡みにくくなるスプレー製剤もありますが、猫は自分で毛を舐めとる動物なので、口にしても安全かどうかが重要です。
皮膚に使える猫用の製剤はあまり多くないので、猫に使えるのかどうかの記載を必ず確認してください。
ロングコートの犬種では毛質により耳の裏側が毛玉になりやすかったり、脇や太ももの裏側、お尻周りなどはブラッシングが行き届かなかったり、嫌がるのでつい軽いブラッシングになりがちで毛玉になってしまっていることがあります。
無理にほどこうとすると痛がってしまうため、ひどい毛玉はバリカンやハサミで切ってしまうほうが良いです。
ただし、毛玉には皮膚を巻き込んでいるものもあり、特に猫は皮膚が柔らかくて伸びが良いため、毛玉を切ったつもりが皮膚も切ってしまった…というトラブルも少なくありません。
被毛と皮膚の色の区別がつきづらい子もいるため、まず毛玉は先のほうをハサミできり、そこをきっかけに手でほぐしてみましょう。ほぐしてみて皮膚が巻き込まれていないことを確認できた部位は切り取ることができます。これを繰り返すといずれ毛玉がほぐれてはずれるようになります。
毛玉の根元と皮膚との境目がわかる場合には、できるだけ毛玉側を切るようにすると、少しずつ毛玉が皮膚から浮いてきてはずれていきます。
皮膚を切らないように毛玉を除去するにはコツがいるので、ちょっと怖いな…と思ったら動物病院やサロンさんにお願いしましょう。
近年では飼い主さんたちの意識も高まり、私が時々監修に参加させてもらっている「ねこのきもち」や「いぬのきもち」などの雑誌では、短毛種は1日1回、長毛種は1日2回(以上)のブラッシングが推奨されています。
これらを基本として、ご自身の愛犬、愛猫の毛質によって、毛が絡まない、毛玉にならない適度な頻度でケアしてあげてください。
一度に全部をやろうとするとペットが飽きてしまったり、そもそも既にブラッシングが苦手で途中で怒ってしまうような場合、毎日、毎回、違う部位をローテーションする、毛玉になりやすい部位を中心的にやる、などの方法で頑張ってみてください。
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