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【お散歩の「とき」に見落としがちな「こと」や「もの」】【獣医師 小林先生のコラム】vol.37

【獣医師 小林先生のコラム】vol.37

 

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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。

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https://www.monoca.jp/

【危険な夏にNGのあれこれ】

今年は異常な暑さが続き、照り付ける太陽もジリジリと痛いくらいです。

 ペットの熱中症対策についてはわりと周知されてきたように思いますが、それでもまだまだ危険な行為をしていたり、知らずにリスクをおかしているようなケースが見受けられます。

 今回は、いくつかの「とき(シチュエーション)」について、暑い時期に注意が必要な「こと」や「もの」について考えてみようと思います。

 

 

【お散歩の「とき」に見落としがちな「こと」や「もの」】

 飼い主さんに「何時ごろお散歩していますか?」と尋ねると、だいたいの方が「朝は6時」などおおよその時間で、夜は「日が沈んでから」とか「涼しくなってから」のような回答をします。

 確かに朝は6時ならまだなんとか暑さに耐えられそう…というイメージはあります。いや、うちは5時半だから、と仰る方もいるでしょう。

夜も涼しくなってからだから大丈夫でしょと思われるかもしれません。

 でも、ワンちゃんは人よりずっとずっと地面に近いところを、しかも「裸足」で歩いています。

 

◆ 路面温度を確認しよう!

高速道路などで気温と路面温度が表示されている箇所があります。

 それを見ると気温24~26℃くらいの時期でも路面温度はなんと40℃、気温30℃以上になると日の当たるアスファルトは路面温度は60℃を超えることもあります。

 黒いアスファルトは熱を吸収しやすく、そしてそこから赤外放射によっていわゆる「照り返し」の熱がでています。

 

ワンちゃんはわたしたち人間よりも近い距離で直にこの赤外放射を受けてしまいます。

 そして犬は汗をかけないため、ハアハアと呼吸で熱交換をするしかなく体温が上昇しやすいので人よりも熱中症になりやすいです。

 

◆ 肉球を守ろう!

路面温度60℃となると当然ながら肉球も火傷をします。

 飛んで跳ねたように歩いていたり、少し歩いたら嫌がる、脚を気にする、痛がったように見えるなどの様子があったら、肉球が熱いのかもしれません。

 朝の気温が低くても路面温度は前日の日照時間に影響を受けているためまだ熱が冷めきっていないこともあります。

 夜は日中ずっと熱を吸収しているため日が落ちたくらいでは路面は急に下がりません。

 そしてその条件は毎日異なります。

 お散歩に行く時を決めてしまうのではなく、必ず飼い主さんがご自身の手で路面に10秒以上触れてみて、耐えられることを確認してから出かけるようにしましょう。

 また、肉球の火傷防止用クリームや、慣れていればワンちゃん用のシューズを利用することもできます。

 ただ、火傷防止用クリームの効果には限界もあるので過信は禁物。路面が熱い時間にお散歩しないことが一番良いのですが、どうしてもでなければならない場合は、火傷防止対策をしたうえで帰宅後には肉球に冷却タオルをあてたり、冷たい水をかけてクールダウンさせるなどのケアもしてあげて下さい。

 

◆ 日陰を歩こう!

そしてできる限り日陰を歩くことも実は忘れがちです。日傘をさしている飼い主さんは特に、ご自身は体感温度が低めの状況で歩いているため暑さに鈍感になっています。

ワンちゃんもその日傘の陰に入っていれば良いですが、歩いているワンちゃんとの距離、日傘の大きさを考えると、ほとんどのワンちゃんは直射日光を浴びています。

 常に日陰を歩くことは難しいですが、日当たりのよすぎる場所などは抱っこしてやりすごすなどの工夫も良いでしょう。

 

 

◆ どんなに短時間でも水を持ち歩こう!

お散歩の時には必ず飲み水を持っていくようにしましょう。

たとえ夜のお散歩でも赤外放射の熱は残っています。ワンちゃんは汗をかけないため体温が上がりやすく、脱水傾向になって血液ドロドロになると高熱の影響をモロに受けてしまい、お散歩から帰ってきて涼しい部屋に入れたはいいけど夜中に体調を崩す…ということもあります。

 たまに知り合いの犬友達に会ってしまって、ちょっと立ち話をしていたら犬がぐったり…という話も伺います。

 早朝はもちろん、夜でもこまめに水分補給をしながらお散歩をしてあげて下さい。

 

◆ スリングは要注意!

最近、かわいいスリング(抱っこひも)でワンちゃんを抱きながら歩いている方をみかけます。

 下を歩かせられない場所、ワンちゃんが疲れてしまった時のためなど、利用できると便利なシチュエーションがある一方で、身動きがとりづらい姿勢で布にくるまれるため体温が上昇しやすいです。

 スリングの中にガーゼで包んだ保冷剤を入れるなどして、暑くならない工夫をしましょう。

 余談ですが、スリングも定期的に洗濯をして清潔に保つ必要があります。例えば細菌性膿皮症や皮膚糸状菌症など、過去に一度患ったことがある場合にはスリングに限らず使用しているベッド、タオル、ブラシなどから再感染しますので要注意です。

 

◆ 濡れた洋服はかえってNGになることも?

暑さ対策でときどき冷感タイプの洋服を利用している人を見かけます。

 メッシュの生地でできていて、濡らして着せる冷感タイプの洋服ならば安心と思っている方もいると思います。

 曇りの日であればそこそこの時間冷たさを保てるかもしれませんが、晴れている陽は生地がすぐに暖かくなってしまい、湿度が上がって蒸れや体感温度の上昇、さらには体温の上昇を招く可能性があります。

 保冷剤を入れられる首巻タイプのものなどのほうが冷却効果は長持ちしそうです。

 

◆◆まとめ◆◆ 

毎日絶対にお散歩をしなければならないということはありません。行かない決断も必要な時があります。

 どうしても外でしか排泄できない子はしかたありませんが、猛暑や酷暑の時には短時間のお散歩に留めることが命を守ることにもなります。

 お散歩をしないとストレスがたまってしまう…と心配になるかもしれませんが、熱中症アラートが出るような日はストレスどころか命の危険もあります。

 本来自分の縄張りであるお家が一番安心できる場所のはずなので、お散歩に行かないとストレスがたまってしまうというのは実は少し考えものです。

 実はお散歩の時は周囲に気を張り、危険がないか常に監視をしながら、怪しいヤツ(他のワンちゃんや人間)が来たらいざという時には飼い主さんを守らねば!と頑張っている子も少なからずいるかもしれません。

 もちろんお散歩好きの子にとっては気分転換になりますが、このような酷暑ではチワワ、フレンチ・ブルドッグ、パグなど、熱中症リスクどころかお散歩が命にかかわる犬種もいます。

 毎日毎日の蓄積でじわじわ夏バテや暑さ負けで体調を崩す子もいるため、適切な「とき」を選べない日にはお散歩を控える勇気も持ってください。

 

2020年から日本気象株式会社による「犬のおさんぽ予報」というサイトが提供されています。路面温度の予測からペットに適したお散歩時間を教えてくれます。

≪犬のお散歩予報サンプル画像 *お天気ナビゲーター*参照≫

日当たりの状況やアスファルトの種類によっては予報が異なる場合もありますが、ぜひ参考にしていただきくれぐれも万全な状態でお散歩をしてあげてください。

 

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