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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。
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ハロウィンが過ぎていよいよクリスマスがやってきます。さて、クリスマスにはさまざまな飾り、お料理がつきものですが、ワンちゃんや猫ちゃんに注意が必要なものについて集めてみました。
クリスマスはもともと北欧のゲルマン民族の冬のお祭りで樫の木を飾る風習があったことに始まるという説があります。そこへやってきたキリスト教の宣教師たちが、樫の木をモミの木に変え、木の頂点にキリスト誕生を象徴するベツレヘムの星を飾るなどして、北欧の人たちにキリスト教を広めていったのがクリスマスのはじまりと言われています。
モミの木はマツ科モミ属の常緑樹です。モミには精油や樹脂、フェノール類などが含まれ、アロマオイルの精油としても利用されることがありますが、これらの中には犬や猫にとって有害な成分が含まれています。なかでもリモネンという成分は猫には中毒を起こしたり肝臓を壊すこともあるため、葉などをかじらないよう注意が必要です。
フェイクツリーを使用すれば中毒の危険性はありませんが、使用されているプラスチックやワイヤーなどの素材が口腔内、食道、胃壁を傷つけたり腸閉塞を起こしたり穿孔する可能性もあるため絶対に誤食させないようにしましょう。
クリスマスで飾るリースは、輪(環)の形をしていることから永遠を表したり、魔除けの役割があるそうです。リースに使用されるヒイラギはセイヨウヒイラギでモチノキ科モチノキ属の常緑小高樹です。
セイヨウヒイラギの実には毒があり、食べてしまうと死んでしまうこともあると言われています。また、古くは葉をお薬として利用していた記載もあるようですが、薬は一歩間違えば毒にもなるため、やはりかじったりしないように気をつけたいですね。
通常は入り口のドアの外や高いところに飾るリースですが、飾る準備をしている際や片づけの際などにうっかりテーブルに置いてしまって…ということのないように注意してください。
クリスマスカラーである赤、緑、白、金にはそれぞれ意味があり、赤はキリストが流した血、緑は永遠の命、生命力を表すものとされています。ポインセチアはトウダイグサ科トウダイグサ属の常緑性低木で、ポインセチアの真っ赤な葉をみてまさに「聖なるキリストの血」であるとして17世紀ごろから飾られるようになったそうです。
ポインセチアは全草に毒があります。人にとっては比較的毒性は低めで死に至るようなことはないようですが、ワンちゃんや猫ちゃんにとっては未知数なのでかじってしまわないようにしましょう。特に猫は完全肉食動物なのでさまざまな物質の代謝能力が人や犬と異なり、人や犬ではOKでも猫ではNGという成分もたくさんあります。
ところでポインセチアを買ったは良いけど翌年には緑のまま…という方もいませんか?
ポインセチアの赤い葉は緑の葉っぱが紅葉したものなので、園芸店ではクリスマスに合わせて紅葉するように短日処理という作業をしています。かなり面倒な処理なので私は諦めてしまいますが、同じ処理ができれば何年も美しい姿を見せてくれます。
さて、前述したようにクリスマスツリーのてっぺんにはベツレヘムの星が飾られます。キリストの誕生を知らせた希望の星のことで、大きなベルも同様に誕生を知らせるものだそうです。
また、ツリーには金や銀、赤や緑などのきらびやかなオーナメントボールが飾られることが多いですが、もともとはリンゴを飾り「アダムとイブの知恵の木の実」を象徴として、幸福や豊かな実りを祈るものとして、杖の形をしたキャンディは羊飼いの杖、靴下はサンタクロースの逸話にまつわるもの、ロウソク(現在はイルミネーションがほとんど)は世界を明るく照らすキリストそのものなど、それぞれ意味をもっているようです。
これらのオーナメントのほとんどは、ワンちゃんや猫ちゃんがオモチャとして興味津々になりそうなものばかりですので、誤食をしないように注意する必要があります。
また、ジンジャークッキーを焼いてオーナメントとして飾るご家庭もあるようですが、ワンちゃんがもし食べてしまっても安心安全な材料で作るようにしましょう。
ゆらゆら揺れる飾りに猫ちゃんが興味をもつとツリーに飛びかかっていくかもしれません。その時にオーナメントの紐が長いと手足に巻きついて宙吊りになってしまうこともあるので非常に危険です(これは電灯の紐、ロールカーテンの紐などでも事故が知られています)。
最後にイルミネーションですが、コードをかじったりイタズラして感電事故が起きないよう、コードを隠したり人がいない時にはコンセントを抜いておくなどの対策をしましょう。