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【犬と猫の歯 前半】【獣医師 小林先生のコラム】vol.64.65

【獣医師 小林先生のコラム】vol.64.65

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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。

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https://www.monoca.jp/

 

【犬と猫の歯 前半】

今回は、メルマガ読者さまからのご質問をいただきましたので、それに答える形で補足を加えた「犬と猫の歯」をテーマにしたコラムです。

 

【犬猫の歯はいつごろ生える?】

犬や猫も人と同じように切歯、犬歯、臼歯があり、子犬・子猫時代は乳歯、その後永久歯に生え変わります。

犬:生後3~4週間で乳歯が生え始め、8週間ほどで生えそろいます。その後、生後2か月半くらいから永久歯に生え変わりはじめ、生後7か月ごろには全て永久歯になりますが、小型犬では犬歯の乳歯が残ってしまうことがあります。

猫:生後2週間ほどで乳歯が生え始め、生後1か月頃には乳歯が生えそろいます。その後、生後4か月くらいから永久歯に変わりはじめ、生後6か月ごろには全て永久歯になります。

 

【犬猫の歯は何本ある?】

犬の乳歯は全部で28本(切歯12、犬歯4、臼歯12)、猫は26本(切歯12、犬歯4、臼歯10)です。

永久歯になると臼歯は前臼歯と後臼歯として区別され、歯式といって左右どちらかの数を上下にわけて記載します。

犬の永久歯の歯式は上顎が切歯3、犬歯1、前臼歯4、後臼歯2、これがもう片側にもあります。下顎は切歯3、犬歯1、前臼歯4、後臼歯3で、こちらももう片側に同じ数あり、計42本です。

猫の永久歯の歯式は上顎が切歯3、犬歯1、前臼歯3、後臼歯1で、下顎が切歯3、犬歯1、前臼歯2、後臼歯1、これらが左右にあるので計30本になります。

 

【食性によって歯の形が違う!】

肉食動物、草食動物、雑食動物で切歯、犬歯、臼歯の形が違います。肉食動物の歯は肉を切り裂くためにほとんどの歯が尖った形をしているのに対し、草食動物は草を噛んですり潰すため、上の切歯や犬歯はなく、下は犬歯がなくて切歯だけです。

上の歯がない部分には、歯茎が固くまな板のようになった歯床板という構造があり、下の切歯と歯床板で草を引っこ抜き、まさに「臼(うす)」のように平たくなった臼歯で草をすり潰します。

雑食動物の歯は草食、肉食の特性の両方を兼ね備えていますが、その中でも肉食寄りの犬と穀類などをよく食べる人とで臼歯の形に違いがあり、犬は人より平たい臼歯が少なく、猫にはそのような臼歯はありません。

犬や猫が人のようによ~くカミカミして食べることがないのは、本来その必要性がないうえに、そのための機能をもつ歯がない(少ない)からなのですね。

 

【歯の生え変わり時期の問題行動について】

猫ではあまり見られませんが、犬では乳歯から永久歯への生え変わりのときに、家具をかじったりオモチャをかじったり、一般的に「歯がかゆい」と言われる行動をとることがあります。

これは人間の赤ちゃんでもみられる現象で、永久歯が歯茎を割って萌出するときにおこる一時的な炎症によるものと言われています。

かゆいのか? 気になるのか? 本当のところはよくわかりませんが、この時期にいろいろな家具やオモチャなどをかじったりします。

家具などかじられたくない部分はガードするか、噛みグセ防止用のスプレー剤などを活用しましょう。それでも噛んでしまう場合にはその家具をしばらく片づけるか、その部屋に入れないようにするしかありません。

電源コードやホットカーペットなどは感電の恐れがあるため家具以上に危険です。絶対にかじられることのないよう、コードカバーなどを利用して隠すようにしてください。

家具の代わりに噛んでも良いオモチャを用意することで家具から目を逸らすのも一つの方法ですが、かじったときに崩れないもの、万が一崩れても尖らないもの、ほどけて長いひも状にならないもの、万が一口に入っても毒性のない安全なものを選んでください。

歯が痒いときの甘噛み行動で、時には飼い主さんの手を噛むこともあります。そのような行為は家具やオモチャなどとは違い、絶対にNGということを覚えてもらう必要があります。たとえ甘噛みであっても人の手に歯をあてることはダメ!と教えるチャンスです。

一般的に躾(しつけ)と呼ばれるトレーニングにおいては、叱る(諭す)時には短い単語で低い声で、褒める時には高めのテンションで思いっきり褒めてあげます。

もし一瞬でも人の手を噛んだら、しっかり目と目を合わせて「いけない」「No」「ダメ」など家族で統一したコマンドを決めて、低めの声でやってはいけないことだと諭しましょう。

そのうえで噛まれた手をさらに口の奥へ突っ込むという方法をとる方もいます。口の奥へ突っ込まれる=嫌な行為となるのでこれが紐づけば噛まなくなりますが、逆に強く噛み返してくるような子には向かない方法です。

このとき、マズルを握る「マズルコントロール」は控えてください。近年、この行為で子犬に重篤な肺症状が生じて亡くなるケースが知られるようになっています。

でも遊びの一環で興奮していると、低い声でコマンドを言ったところで全く言うことを聞かない(やめようとしない)ケースもあるでしょう。その時にはすぐに無視をして部屋から姿を消し、孤独にしてみましょう。

前述した口の奥へ手を突っ込む以外に、経験豊富な飼い主さんなら、母犬が子犬を叱るときに前足で体を軽く押して倒したり、お腹を上に向けさせる行為と同じようにやってみることもできます。

ダメだよということを教えるものですが、失敗すると恐怖を与えるだけになってしまったり、かえって逆上してしまうケースもありますので、慣れていない人にはお勧めしません。

さらに、近年では躾の一環でケージレストをするのはNGとする意見が多数です。ケージは安心できる場所であって懲罰房としての利用はよくない、ということです。

したがって、低い声でコマンドを伝える、無視する、部屋をでていく、周りに危険なものがないか確認したうえで孤独にする、などの方法が推奨されています。

子犬のトレーニングは一瞬一瞬、そして毎日の繰り返しが大切です。根気よくやっていきましょう。

ふだんから口をあけたり、お腹を上にむけたり、人間側がしたいと思ったときにできるようになる、が基本です。

 

 

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