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【シニア期の変化 シリーズ① 眼 前半】【獣医師 小林先生のコラム】vol.39

【獣医師 小林先生のコラム】vol.39

 

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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。

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https://www.monoca.jp/

今はペットも長寿の時代です。犬も猫も室内飼育になり交通事故や感染症で亡くなるケースは激減しました。ペットフードの質が向上したことや、飼い主さんの健康意識も高まって定期的な健康診断などにより、病気の早期発見ができるようになったことも寿命が延びた一因となっています。

 

ご長寿になると色々な病気も増えてきます。そこで、シニアのペットにありがちな変化と、それに対するお家でのケアなどをパーツ別にご紹介します。

9月はまず眼の変化について、前半では飼い主さんが見てわかるシニアペットの見た目の変化を、後半では見た目ではわかりづらい、シニア期に注意が必要な眼の病気をご紹介します。

 

【シニア期の変化 シリーズ① 眼 前半】

 

飼い主さんが見てわかる眼の変化

眼が白い(その1)

ワンちゃんのお顔を見たときに角度によって眼が白っぽく見えることがあります。白内障かな?と心配される方もいますが、多くは核硬化症という老化現象です。

核硬化症は水晶体にできる年輪のようなもので白内障のように視野を障害することはありません。ただいっぽうで老化現象なので予防や治療法もありません。

 

眼が白い(その2)

眼の水晶体が白く見えるもうひとつの原因は白内障です。白内障は水晶体のタンパク質が変性してしまったもので、一度変性したら元にはもどりません。水晶体の一部からはじまり(未熟白内障)、いずれは全部が変性して眼が見えなくなります(成熟白内障)。

ただ、もし眼が見えなくなってしまっても、ペットの場合は飼い主さんというパートナーが必ずいるため、生活するうえでは大きな問題にならないことが多いです。自宅など慣れている場所ならぶつからずに歩くこともできますし、もちろんお散歩もできます。

ただ、本人は見えない恐怖や不安などを感じることがあり、顔回りに触れられるのを嫌がることがあります。そういう時は嫌がらない他の部位を撫でながら、そっと声をかけつつお顔に触れると良いでしょう。

早期であれば初期白内障の進行を抑える点眼薬もあります。※猫が白内障になることはほとんどありません。

 

瞼に膨らみがある

瞼にできる膨らみのうち、一般的なものはマイボーム腺梗塞でシニア期だけでなく若い犬でもみられます。

マイボーム腺とは涙液を分泌する腺で、瞼の縁に点々と並んでいますが、この腺の中の分泌物がチーズのように固まって詰まりを起こした状態がマイボーム腺梗塞です。

炎症を起こして痛みや腫れが生じている場合には詰まりを取り出す処置が必要になることもあります。詰まりが軽度であれば外から見てもあまりわからず、健康診断などで瞼の裏を観察したときに指摘されることがあります。

炎症を起こしていなければ経過観察することが多いですが、体質的なものがかかわっているため、一度詰まりを起こすと別の部位にもできたり、繰り返す子も少なくありません。

固まった分泌物は脂質成分なので38~40℃くらいのホットパックを眼(瞼を閉じた状態)にあてると、油分が溶けて詰まりを改善できます。蒸しタオルよりもレンチンするタイプのホットパックが冷めにくくお勧めです。火傷をしないよう飼い主さんの瞼にあてて確認してから使用してあげましょう。

前述したように体質的なものなので、1回のホットパックで良いわけではなく、定期的にケアをする必要があります。例えばソファーで抱っこをしてテレビを一緒に観ている時間などを利用すると負担が少ないです。ただし嫌がる場合は無理をしないでください。炎症を起こしている場合も温めるのはNGです。

マイボーム腺梗塞は水分不足などで腺からの分泌がスムーズにいかなかったり、食餌中の脂の量や質がかかわっているともいわれ、水分補給や脂質の摂りすぎに注意するよう指導されることもあります。

 

瞼にイボができている

マイボーム腺梗塞とは異なり、瞼の縁に小さなイボのようなものができることがあります。多くはマイボーム腺にできる良性の腫瘤です。

瞼の外にできている時には特に悪さはしませんが容姿は気になるかもしれません。イボが瞼の内側など角膜に触れる部位にできると、慢性的な刺激により流涙症の原因となったり、角結膜炎や角膜潰瘍の原因になることもあるため切除が必要になることもあります。

 

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