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【クリスマスに登場する料理やスイーツと危険性】【獣医師 小林先生のコラム】vol.46

【獣医師 小林先生のコラム】vol.46

 

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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。

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さて、前回ではクリスマスに登場する植物や飾りについての危険性をあげてみました。後半ではお料理について紹介します。

 

【クリスマスに登場する料理やスイーツと危険性】

◆ ローストチキン

本来はターキーですが日本ではほとんどが鶏肉を使用しますね。しかも丸ごと1羽のローストではなく、骨付きもも肉や手羽を利用したものなど食べやすいような形にしていることが多いようです。

鶏肉そのものは食べても問題ありませんが、ローストされた皮はニンニクやスパイスを擦りつけてあったり濃い味付けになっているうえに脂質が高いので、皮ははずしてあげたほうがよさそうです。

また、鶏の骨は中途半端に熱を加えてあると、噛んだ時に尖った砕け方をするので胃腸を傷つける恐れがありとても危険です。圧力鍋でしっかり煮込んで噛むとボロボロになるくらいに柔らかくなっていれば問題ありませんが、通常の加熱処理をした鶏の骨付き肉は、骨を取り除いて与えるようにしましょう。

 

◆ ブッシュドノエル

クリスマスの丸太という意味を持つブッシュドノエル。使用するスポンジケーキやクリームの中にはチョコレートやナッツ、ドライフルートなどが含まれていると思います。

前半のオーナメントクッキーの項目でも少し触れましたが、チョコレートに含まれるカカオには呼吸器や中枢神経に影響するテオブロミンやカフェインといった成分が含まれ、人でも摂取しすぎると興奮状態になったり神経症状があらわれることが知られています。

犬や猫は人以上にテオブロミンやカフェインの中毒症状が出やすく、一般的にチョコレートは犬猫に与えてはいけない食べ物の代表になっています。

チョコレートの他にはコーヒー、紅茶、お茶などもテオブロミンやカフェインを含みます。

テオブロミンやカフェインはメチルキサンチン誘導体と呼ばれる化学物質で、それぞれ作用機序や起きる中毒症状はことなりますが、致死量は犬では体重1kgあたり100~200mgくらい(猫ではもっと少ない)で、20mg/kgくらいから症状が出始めるといわれています。

テオブロミンは症状がでない程度の少量でも、それを慢性的に摂取すれば心不全などを起こして突然死してしまうこともあります。

チョコレートはカカオ含有量で記載されているのでわかりにくいですが、例えば代表的な某メーカーのカカオ99%のビターチョコレートの1枚には495mgのテオブロミンが含まれており、5kgくらいのワンちゃんでは4分の1を食べただけでも症状が出る可能性があり、1枚食べれば死んでしまうこともあるかもしれないということです。

 

カカオを使用していないホワイトチョコレートは問題ないので雪化粧のブッシュドノエルなら食べても大丈夫ですが、マカデミアナッツやレーズンなど中毒のもとになる他の食材が使われていないかどうか必ず確認しましょう。なお、人間用のケーキは脂質の高いバターやクリーム、砂糖などを使用しているので、与える場合でもほんの一口程度にしてください。

 

◆ その他のお菓子

フランスのプチガートナンテやクグロフ、イギリスのミンスパイ、アイシングを施したジンジャークッキーやヘクセンハウスなど、クリスマスに定番のお菓子は色々あります。

これらのお菓子も犬や猫に中毒性のある食材が使用されていないかどうか、原材料を全て把握できない製品の場合には与えないようにしてください。

また、形が尖ったものや一度に口に入れて喉を詰まらせる恐れのあるものは、テーブルなどに置かずに隠しておくようにしましょう。

 

【まとめ】

いかがでしたか。意外とクリスマスには危険がいっぱい。ですがせっかくなのでペットとともに安心して楽しく過ごしたいですよね。

やはりクリスマス用のケーキやクッキーなどは、ワンちゃんや猫ちゃん用に作られた専用のおやつを利用するのが最も理想的ですね。

 

みなさま良いお年をお迎えください。

 

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