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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。
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後半
前半ではシャンプーの必要性や頻度について説明してきました。後半は、いよいよ実践編です。
さて、シャンプーをしよう!と思ってもすぐに体を濡らさず、シャンプー前には必ずブラッシングをしましょう。長毛種の子はもちろん、短毛種でも本来抜けるべきアンダーコートや毛玉になった部分をそのままの状態で洗うと、フエルト理論でもっと絡み合って固くなってしまいます。
事前に毛玉や毛の絡み、抜け毛をできるだけ取り去ることで、シャンプー剤の量も少なくて済みますし、皮膚にもしっかり接触させることができます。もし毛玉がひどくブラシが通らない場合、無理にやろうとするとひっぱられた痛みでブラッシングがトラウマになってしまうので、惜しまず毛玉ごとハサミで毛を切ってしまいましょう。
抜けた毛にはホコリや花粉などがついており、人間にとってはアレルギーの原因になってしまうこともあるので、できるだけブラッシングしながら抜けた毛はすぐにビニル袋などに入れて舞い散らないようにすると良いです。
ブラッシングが終わったら、いよいよシャンプーです。自宅でシャンプーをする場合、ほとんどの方がお風呂場を利用すると思いますが、超小型犬などはシンクやベビーバスを利用しても良いと思います。
※ ここでは皮膚トラブルのない健康な肌の子のためのシャンプーを前提としています。
① お湯はぬるめの設定にしましょう。理想的には39度くらいの温度が良いと言われています。
② まず心臓から遠いお尻~腰のほうから、徐々に背中、肩、胸、首へと被毛の根元にシャワーヘッドをあて、てくるくる円を描くようにしながら全体をしっかり濡らします。
③ 洗面器や深めのバケツにシャンプー剤を少量入れ、泡立てネットでモコモコに泡立てます。被毛の根元に泡をつけながら叩きモミの要領で皮膚、被毛を洗います。この時絶対に身体に直接シャンプーをかけて体で泡立てないこと。また、ゴシゴシと強い力でこすらないように気を付けてください。
④ 時折コームで被毛をときながら、また、時には毛並みにさからいながら洗います。細部もしっかり洗えたらすすぎをしましょう。すすぎも心臓から遠いところからお湯をかけますが、仕上げの時には高い部位から低い部位へお湯が流れるようにします。被毛やその根元にシャンプーのヌルヌル感がなくなるまでしっかり洗い流しましょう。一般的にすすぎ時間は、シャンプー剤をつけて洗う時間の倍以上が必要と言われています。
⑤ シャンプー剤をしっかり流せたら、被毛の水分を軽くしぼってタオルドライをします。タオルは惜しまず何枚でも使い、できる限り水分をとったほうがドライヤーの時間を短くすることができます。指のマタや足の裏などもしっかりと。ただしやはりゴシゴシこすらないようにしてください。顔ヒダがある犬種は体のタオルドライをしている間に、ヒダの中にティッシュをあてておき、ヒダの中の水分がしっかり吸い取られるまで何枚か交換しましょう。
⑥ タオルドライが終わったら乾かしをします。サロンや動物病院では温度や風量調節ができるドライヤーを使いますが、そういったドライヤーは少し高額のものが多いです。でも温度調節やできないと熱風と冷風を交互に使わなければならずかなり面倒。そんな時は犬用のブロワーがあると便利です。ブロワーは強力な風で水分を飛ばすもので、本来はドライヤーの前に使うものですが、安価で温度調節、風量調節ができるものもありラインナップも豊富です。注意すべきは顔回りや耳などに強風を当てないようにすること。もし耳に強い風が入ると鼓膜が破れてしまうことがあります。乾かし不足を防ぐためには、全体を適当に乾かすのではなく、尻尾からお尻、肩、腰、背中、体の右側、左側、内股、腹、胸など部位ごとに乾いたら次へうつるよう決めておいたほうが良いでしょう。コームを使って被毛の根元から、体幹の広い部分を順番にまず乾かし、顔や耳介、四肢や指のマタなどを最後の仕上げにするトリマーさんが多いです。スリッカーブラシは慣れていないと皮膚を傷つけることもあるので、個人的にはコームのほうが安心なのでお勧めです。
⑦ 最後に改めて湿っているところがないか確認しましょう。自分ではなんとなく乾いたように思えてしまうので、自分以外の人がいる場合には誰かに触って確認してもらうのが確実です。
耳に水が入って外耳炎の原因になったり、目にシャンプー剤が入って残ったままになり角膜炎を起こしたなどのトラブルで動物病院に来院される方もいます。
耳はコットンを軽く詰めておくのが対策になります。動物病院では目に眼軟膏を塗って保護してからシャンプーすることもありますが、もしシャンプーが目に入っても、普通のシャンプーならすぐにしっかり洗い流せば問題ありません。
普段はお母さんが洗うのに忙しかったのでお父さんに頼んだら、やりなれていなかったためにシャンプー剤の洗い残しや乾かし不足などで皮膚炎になってしまった…という切ない例も。
柴犬など被毛の密な犬種、フレブルやパグなど顔ヒダがある犬種は、洗い残し、乾かし不足がないかプロでも気を使います。さらにどんな犬種でも、四肢の指のマタ、足の裏などは、洗い・すすぎ・乾かしの全てが難しい部位でもあります。皮膚をゴシゴシこする、熱風で乾かすなどもNGなので、自信がない場合にはやはりプロにお任せするのが良いかもしれませんね。
ベタつきや独特の体臭がしたり、少し皮脂の分泌の多い子は、シャンプー前にクレンジングオイルを使うのがおすすめです。ワンちゃんたちの皮膚には人のような汗の腺が少なくほとんどが皮脂腺です。そのため脂には脂で対応するのがコツ。体を濡らす前に気になる部位(例えばあごの下、脇、お尻まわりなど)にクレンジングオイルをよくなじませ、ぬるま湯で一度流します。私が薬浴で利用するクレンジングオイルは無印良品のマイルドクレンジングオイルという商品ですが、余計なものがはいっておらず、あまり粘稠性がないものが使い勝手がよくおすすめです。ぜひ試してみてください。
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